H+K+H+K+壁細胞壁細胞活性体ボノプラザンボノプラザン血中薬物濃度分泌細管S-S活性体ランソプラゾール血中薬物濃度分泌細管の低下の低下プロトンポンププロトンポンプボノプラザンフマル酸塩は抗H. pylori 活性及びH. pylori ウレアーゼ阻害活性は示さない33)。臨床的に確認されたボノプラザンと抗菌薬との併用によるH. pylori 除菌効果は、ボノプラザンが胃内pHを上昇させることにより併用する抗菌薬の抗菌活性を増強させ、抗菌薬の粘液層透過性を高めたためと考えられた34)。ボノプラザンは塩基性が強く、また酸性環境下でも安定なため、分泌細管に高濃度に集積し、長時間残存する。この性質により、血中薬物濃度の低下後に、新たに分泌細管の膜上へ移動してきたプロトンポンプも阻害することができると考えられる。ランソプラゾールの酸性環境下における安定性は「酸性溶液中における安定性試験」によって確認されており、pH1、24℃、0.5 時間の条件下で残存率は約1.7%であった。ボノプラザンは酸による活性化を必要とせず、カリウムイオンに競合的な様式でプロトンポンプを阻害し、胃酸分泌を抑制する。ランソプラゾールは酸で活性体へ変換され、プロトンポンプとS-S結合することでプロトンポンプを阻害し、胃酸分泌を抑制する。(監修:自治医科大学名誉教授 菅野 健太郎先生)62■ボノプラザン<参考>ランソプラゾール(2)H. pylori 除菌効果33)34)1.薬理作用(1)胃酸分泌抑制の作用機序(推定)薬効薬理
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