タケキャブOD錠 | 総合製品情報概要
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ボノプラザンフマル酸塩(タケキャブ)は武田薬品工業株式会社が創製したカリウムイオン競合型アシッドブロッカー(Potassium-Competitive Acid Blocker:P-CAB)とも呼ばれるカテゴリーのプロトンポンプ阻害薬(以下、PPI)です。ランソプラゾールなどの既存のPPIは酸の存在下で活性体に変換されてプロトンポンプのSH基に非可逆的に結合し、酵素活性を阻害するのに対し、タケキャブは酸による活性化を必要とせず、カリウムイオンと競合的な様式で可逆的に酵素活性を阻害すると考えられています。また塩基性が高いこと、酸性環境下でも安定であることにより、胃壁細胞の分泌細管に高濃度に集積、長時間残存でき、この性質により血中薬物濃度の低下後に新たに分泌細管の膜状へ移動してきたプロトンポンプも阻害することができると考えられています。タケキャブ錠は酸関連疾患を対象とした臨床試験において、臨床的に十分な有効性等が確認され、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、低用量アスピリン投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制、非ステロイド性抗炎症薬投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制及び胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃MALTリンパ腫、特発性血小板減少性紫斑病、早期胃癌に対する内視鏡的治療後胃、ヘリコバクター・ピロリ(H. pylori)感染胃炎におけるH. pylori の除菌の補助の効能又は効果にて、タケキャブ錠は2014年2月に製造販売承認申請を行い、2014年12月に製造販売承認を取得しました。また、タケキャブOD錠(以下、本剤)は、服薬アドヒアランスの改善を目指した口腔内崩壊錠であり、タケキャブ錠と同一の効能又は効果、用法及び用量にて2021年3月に製造販売承認申請を行い、2022年3月に製造販売承認を取得しました。1あり、胃の壁細胞に集積して酸分泌を抑制します。(62頁)1 新しいメカニズムのカリウムイオン競合型アシッドブロッカーで2 水なしでも服用可能な口腔内崩壊錠です。3 タケキャブ錠との生物学的同等性が認められました。(51〜52頁)4 健康成人にタケキャブ錠を1日1回7日間投与した時、投与7日目の24時間の胃内pH4 HTR※は、タケキャブ錠10mg:63.33%、タケキャブ錠20mg:83.37%でした。(63頁)※pH4以上に保つ時間の割合(pH HTR:pH holding time ratio)開発の経緯製品特性

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