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2. 毒性試験1)1)Oi, A. et al.: Cardiovasc Drugs Ther. 2011 ; 25(Suppl. 1) : S91-S99.ICRマウスに最高1,000 mg/kgを経口投与し、消化管輸送能について検討しましたが、影響は認められませんでした。Wistar系ラットに最高10 mg/kgを静脈内投与して胃運動への影響を検討しました。3 mg/kgまで影響はみられませんでしたが、10 mg/kgでは胃運動の振幅を減少させ、胃筋層の緊張度を低下させました。SDラットに最高1,000 mg/kgを十二指腸内投与して胃液分泌に及ぼす影響を検討しました。100 mg/kg以下では影響がみられませんでしたが、300 mg/kgでは胃液量、胃酸濃度及び胃酸分泌量の減少傾向が、1,000 mg/kgではこれらの減少に加えて胃液pHの上昇が認められました。雌雄のSDラット及びビーグル犬にトルバプタンの2,000 mg/kgを単回経口投与しました。死亡及び薬物に起因した毒性変化は観察されませんでした。雌雄のSDラットにトルバプタンの0、30、100及び1,000 mg/kg/日を26週間強制経口投与した後、5週間の回復期間を設けました。30 mg/kg/日以上の投与群の雌雄で薬理作用に基づく摂水量及び尿量の増加と、尿比重及び尿浸透圧の低下が投与期間を通じてみられました。1,000 mg/kg/日の雌に投与開始数日以内に一般状態の著しい悪化がみられましたが、摂水量の不足が原因と考えられ、給水条件の改善により同群でも良好な健康状態の維持が確認されました。これら以外には薬物に起因したと考えられる毒性変化はみられず、特筆すべき毒性標的器官はないと考えられました。また、投与期間中にみられた変化は、すべて回復期間に消失しました。無毒性量は雄が1,000 mg/kg/日、雌が100 mg/kg/日と判断しました。雌雄のビーグル犬にトルバプタンの0、30、100及び1,000 mg/kg/日を52週間強制経口投与した後、5週間の回復期間を設けました。30 mg/kg/日以上の投与群の雌雄で薬理作用に基づく摂水量及び尿量の増加と、尿比重及び尿浸透圧の低下が投与期間を通じてみられました。1,000 mg/kg/日では、雌雄に一過性の体重及び摂餌量の減少がみられ、一部の例については切迫屠殺を行いました。これら以外には薬物に起因したと考えられる毒性変化はみられず、特筆すべき毒性標的器官はないと考えられました。薬物に起因したと考えられる変化はすべて回復期間で消失しました。無毒性量は雌雄とも100 mg/kg/日と判断しました。(6)消化器系に対する作用(1)単回投与毒性試験(2)反復投与毒性試験91安全性薬理試験及び毒性試験

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