ルプキネス | 総合製品情報概要
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安全性薬理試験及び毒性試験NOAEL=No observable adverse effect level、TPGS=D-alpha-tocopheryl-polyethylene glycol 1000 succinate、 MCT=Medium chain triglyceride、TK=Toxicokinetic(s)その結果、被験物質又は参照物質に関連する死亡は認められなかった。各投与群に認められた主な所見は下記の通りであった。一般状態として、10及び25mg/kg/日投与群の雄で軟便、削痩及び体重増加量の減少、並びに雌雄で過剰な歯肉組織が認められた。これらの影響は、被験物質及び参照物質投与群で同様であった。被験物質の10及び25mg/kg/日投与群並びに参照物質の25mg/kg/日投与群で、摂餌量の高値が認められた。投与13週時点での血液学的検査では、対照群と比較して、主に10及び/又は25mg/kg/日投与群で影響が認められ、被験物質及び参照物質投与群で同様のパターンを示した。赤血球及びヘモグロビンに統計学的有意差が認められたが、その程度は小さく、パターンに一貫性がなかった。25mg/kg/日投与群の雌で白血球がわずかに低かった。リンパ球(相対値)が全てのボクロスポリン投与群で低下する傾向が認められ、それに対応して好中球(相対値)の増加が認められた。被験物質の10及び25mg/kg/日投与群の雄で、血小板がわずかに減少した。血液生化学的検査では、アルブミン、総タンパク及びマグネシウムの低下、並びにBUNの増加が認められた。また、一部の動物で、ALT及びAST、グルコース、カルシウム及びリンの散発的な増加が認められた。尿検査では、10及び25mg/kg/日投与群の雄で尿中グルコース及び尿量の増加が認められた。尿中クレアチニン及びカリウムの減少は、尿量増加を反映するものであった。病理組織学的所見が、腎臓、胸腺、眼及び切歯に認められ、被験物質及び参照物質投与群との間に差は認められなかった。被験物質及び参照物質の10及び25mg/kg/日投与群で認められた腎臓の変化は腎症と一致していた。胸腺髄質の萎縮が、用量反応的に認められ、可染体マクロファージの増加と関連していた。眼に関して、被験物質の10及び25mg/kg/日投与群並びに参照物質の25mg/kg/日投与群で、軽度から中等度の水晶体変性が認められた。本試験の全ての被験物質及び参照物質投与群で、げっ歯類に自然発生する切歯の異形成が、用量反応的に認められた。本試験の回復期間により、胸腺での所見は完全に回復し、腎臓、眼及び歯での所見は、投与終了時に認められた程度及び発現頻度よりも低かった。本試験においてNOAELは、2.5mg/kg/日と判断された。49)社内資料:遺伝毒性試験ネズミチフス菌(TA98、TA100、TA1535及びTA1537)並びに大腸菌(WP2uvrA)を用いた復帰突然変異試験において、ボクロスポリンは代謝活性化の有無にかかわらず、変異原性を示さなかった。また、CHO細胞を用いた染色体異常試験においてもボクロスポリンは代謝活性化の有無にかかわらず、染色体異常誘発性を示さなかった。mix-ISA247は、ICHガイドラインに基づく標準的な組み合わせの遺伝毒性試験(Ames試験、CHO細胞を用いた染色体異常試験及びin vivoラット骨髄小核試験)で遺伝毒性を示さなかった。53 (3)遺伝毒性試験(in vitro及びラット)●ラットにおけるボクロスポリン製剤の13週間反復経口投与比較毒性試験SDラットに標準溶媒[ビタミンE TPGS/MCT油/Tween 40/95%エタノール(4:2:2:1、w/w/w/w)]を用いたISA247(ボクロスポリン)(以下、参照物質)及びビタミンE TPGSを配合しない溶媒[MCT油/Tween 40/95%エタノール(5:3:1、 w/w/w)]を用いたボクロスポリン(以下、被験物質)を投与し毒性を比較した。被験物質については0(ビタミンE 非配合溶媒)、2.5、10 又は25mg/kg/日、参照物質については10又は25mg/kg/日の用量で強制経口投与した。投与群は、主試験群として雌雄各10/群、回復群(4週間の回復期間)として雌雄各5/群及びTK群として雌雄各9/群(溶媒投与群を除く)とした。

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